「団地リノベーション」で賃料33.9%アップ|千葉市の実例

築50年を超える団地の部屋を持つオーナー様から、「古いから賃料は下げるしかない」「空室がなかなか埋まらない」というご相談をいただくことがあります。

けれども、古い団地をリノベーションして部屋の中身を変えると、築年数が古いままでも賃料を上げて入居が決まる部屋になります。団地リノベーションは、賃料を下げる前に検討する価値のある選択肢です。

当社が管理する千葉市花見川区の西小中台団地4階のお部屋では、内装を作り直したあと、リノベーション前と比べて賃料が33.9%上がりました。

この記事では、このお部屋で「誰に住んでほしいか」をどう決めたか、どこを工事してどこを残したか、実際にどんな方が入居されたかを、写真つきでご紹介します。

団地リノベーションの事例|西小中台団地4階の部屋は賃料33.9%アップ

まず、この事例の概要を表にまとめます。

項目内容
物件西小中台団地(千葉県千葉市花見川区)4階のお部屋
建物1972年7月築・鉄筋コンクリート造5階建(出典:アットホーム建物ライブラリー)
広さ48.93㎡
工事の内容内装リノベーション(床・壁・天井・キッチン・洗面・トイレ)。浴室は工事していません
結果賃料がリノベーション前より33.9%アップ
施工エールテック

西小中台団地は、アットホームの建物ライブラリーによると、1972年7月に建てられた鉄筋コンクリート造5階建の団地で、総戸数は998戸とされています。

築50年を超える大規模団地の一室で、賃料が3割以上上がった事例です。当社がこのお部屋で最初に決めたのは、内装のデザインではなく「誰に住んでほしい部屋にするか」でした。

古い団地で「賃料を下げても決まらない」状態が起きる理由

築年数の古い団地の部屋では、次のような流れが起きやすくなります。

  • 設備が古いため、内見に来た方が同じ家賃帯の新しめの物件と比べて選ばない
  • 空室が続くと、賃料を下げて募集する
  • 賃料を下げると工事にかけられる予算が減り、部屋は古いままになる

この流れに入ると、賃料を下げても部屋は決まりにくくなります。原状回復(退去のたびに元の状態に戻す工事)を繰り返すだけでは、部屋の印象が変わらないためです。

賃料で比べられる部屋から、「この部屋に住みたい」と選ばれる部屋に変えることが、団地リノベーションの目的です。

「誰に住んでほしいか」から決めた入居者像

当社がリノベーションを手がけるときは、内装を考える前に、住んでほしい人を一人に絞ります。年齢や仕事だけでなく、服装や髪型、趣味、休日の過ごし方、恋人がいるかどうかまで具体的に思い浮かべます。

このお部屋では、団地の立地と部屋の条件から、次のような人物を思い描きました。

部屋の条件当社が考えたこと
駅から離れた団地電車ではなく、車で通勤する人に向いている
海浜幕張まで車でおよそ10〜20分(当社の見立て)千葉市内や幕張方面に車で通う人なら、通勤が苦にならない
団地内で駐車場を借りられる駐車場が必ず必要な人にとって、住む理由になる
4階のお部屋毎日の上り下りや買い物の荷物を負担に感じにくい、20代後半〜30代の人

こうして浮かんだのが、「千葉市内に車で通勤する、20代後半から30代の一人暮らしの男性」という入居者像です。リビングを「ブルックリン風」(レンガや濃い色を使った、倉庫を改装したような雰囲気の内装)にまとめたのは、この人物が選びそうな部屋に合わせたためです。

当社が提案した「団地リノベーション」の中身を写真でご紹介します

ここからは、工事後の写真とあわせて、どこをどう変えたのかをご紹介します。

リビングは「ブルックリン風」の内装にまとめました

リビングの壁の一面をレンガ調に、天井を濃い色にしました。ダクトレール(照明を自由な位置に付けられるレール)とペンダントライトを取り付け、床は木目調のフロアに張り替えています。

▼レンガ調の壁と濃い色の天井のリビング

レンガ調の壁とダクトレール照明のリビング全体

もともとの団地の部屋は、白い壁と白い天井が基本です。壁一面と天井の色を変えるだけで、部屋に入ったときの印象が大きく変わります。

▼窓側から見たリビング

窓側から見たリビング。緑のラグと木目の床

キッチンは対面式にして、白いタイルと木のルーバーで仕上げました

キッチンは対面式(リビング側を向いて料理ができる形)にして、壁には白いタイルを貼りました。リビング側から見えるキッチンの腰壁は、木のルーバー(すき間をあけて板を並べた仕上げ)です。

▼木のルーバーで仕上げた対面キッチン

白いタイルと木のルーバー腰壁の対面キッチン

団地のキッチンは、壁に向かって立つ独立型が多く見られます。対面式にすると、部屋全体が一つの空間として広く感じられます。

個室は壁材と色を変えて、部屋ごとに表情を付けました

リビング以外の部屋も、壁材や色を変えています。一部屋は壁の一面をOSB合板(木のチップを固めた板)で仕上げ、別の部屋は紺色の壁と柄物の壁紙を組み合わせました。

OSB合板の壁の個室

▼壁一面をOSB合板にした個室

OSB合板の壁の個室

同じ白い壁紙の部屋が並ぶより、部屋ごとに使い方を想像できる方が、住んだあとの暮らしを思い描きやすくなります。

▼紺色の壁と柄物の壁紙を組み合わせた個室

紺色の壁と柄物の壁紙の個室

洗面とトイレは新しくし、浴室は工事の対象にしていません

洗面は、壁付けの洗面器にミラーと棚を組み合わせた形にしました。トイレは壁を紺色にして便器を交換しています。

壁付けの洗面器とミラー、棚のある洗面スペース

▼壁付けの洗面器と棚の洗面スペース

壁付けの洗面器とミラー、棚のある洗面スペース

▼トイレは壁の色を変えて便器を交換しました

紺色の壁のトイレ

一方で、浴室はこのリノベーションでは工事をしていません。すべてを新しくするのではなく、工事をする場所と残す場所を分けることも、団地リノベーションでは大切な判断です。

実際に入居されたのは、想定とは違う女性の方でした

ここまで「車で通勤する30代までの男性」を思い描いて作った部屋ですが、実際に入居されたのは、一人暮らしの女性の方でした。

当社では、こうしたことは珍しくありません。ピンク系のクロス(壁紙)で仕上げた部屋に男性が入居されたこともあります。離婚歴のある単身の男性を思い描いて作った72㎡の分譲マンションのお部屋に、そのまま若い女性が入居されたこともあります。

想定と違う方が入居されても、当社はそれで構わないと考えています。入居者像を一人に絞ると、部屋の雰囲気がはっきりします。その結果、思い描いた人以外にも「この部屋がいい」と感じる方が現れます。

団地リノベーションで失敗しないために、当社が大切にしている3つのこと

団地のリノベーションは、費用をかけたのに賃料が上がらない、入居が決まらないという失敗も起こり得ます。このお部屋の事例から、当社が大切にしていることを3つにまとめます。

1. 住んでほしい人を一人に絞り、細かく決める

内装のテーマは、住んでほしい人から逆算して決めます。年代や性別だけで止めず、服装や趣味、暮らし方まで具体的に決めると、壁や床、照明の選び方に一本の筋が通ります。

2. 立地と部屋の条件から、入居者像を考える

駅からの距離、駐車場の有無、何階の部屋か、といった条件は工事では変えられません。このお部屋では、駅から離れていて駐車場を借りられることから「車で通勤する人」、4階であることから「上り下りを負担に感じにくい世代」と考えました。

3. 「残す設備」を決めて工事費を抑える

すべてを交換すると工事費が膨らみ、回収に時間がかかります。このお部屋でも浴室は工事をしておらず、工事をする場所と残す場所を分けています。

こんなオーナー様には、団地リノベーションをおすすめします

  • 築30年以上の団地・アパートを持ち、空室が3か月以上続いているオーナー様:原状回復を繰り返すより、一度リノベーションして賃料と入居の決まりやすさを上げる方が、長い目で見て手元に残る金額が増える可能性があります。空室の1か月は、その月の賃料がまるごと入らないのと同じです
  • 賃料を下げて募集しているのに決まらないオーナー様:賃料ではなく部屋の中身が理由で選ばれていない可能性があります
  • 相続した団地の部屋をどうするか迷っているオーナー様:売却か賃貸かを決める前に、リノベーションした場合にどんな方に住んでもらえる部屋になるかを知っておくと、判断の材料が増えます

反対に、建物全体の大規模修繕が近い場合や、賃料の相場そのものが低いエリアでは、工事費の回収に時間がかかることがあります。リノベーションが向くかどうかは、お部屋ごとに確かめてから決めることをおすすめします。

まとめ|築50年超の団地でも、住んでほしい人を決めれば賃料は上げられます

この記事のポイントをまとめます。

  • 西小中台団地(1972年築)の4階のお部屋は、内装リノベーションで賃料が33.9%上がりました
  • 内装を決める前に、立地と部屋の条件から「車で通勤する20代後半〜30代の一人暮らしの男性」という入居者像を決めました
  • 工事は床・壁・天井・キッチン・洗面・トイレで、浴室は残しています
  • 実際に入居されたのは一人暮らしの女性で、想定と違う方でも入居が決まればよいと当社は考えています
  • 失敗しないために大切なのは、住んでほしい人を細かく決めること、立地と部屋の条件から考えること、残す設備を決めて工事費を抑えることの3つです

当社は1970年の創業以来、千葉市で賃貸管理を中心に、募集・管理・リフォーム・リノベーションまでを一つの窓口でお手伝いしている会社です。

「うちの部屋でも賃料を上げられるのか」「どんな方に住んでもらえる部屋にできるのか」といったご相談は、貸したい方のお問い合わせからお送りください。お電話(043-256-5661・営業時間9:30〜18:00)でも受け付けています。

当社が賃貸オーナー様に提供しているサービスの全体は、オーナー様へのページにまとめています。